POINT
幅広く知られるタスクランプのアイコン的存在
ANGLEPOISE(アングルポイズ)は、代々続く家族経営で今まで関わって来た人達との関係を、75年以上経った今でもとても大事にしています。創立者ハーバート・テリーの玄孫であるサイモンは、現在商品開発ディレクターとして経営に携わっています。ジョージ・カワーダインの息子であるデイビットは、アングルポイズと同じハンプシャー州で自社工場を経営しています。アングルポイズは、エンジニアリングコンセプトから誕生し、永い時を経てデザイナーブランドとして現在に至っています。誕生から75年以上を経た現在でも、デザイン通の人々の間だけではなく、一般の人々まで幅広く知られるタスクランプのアイコン的存在になっています。
英国を代表する10のデザインにも選出
75周年を迎えた2009年、ロイヤルメールの記念切手「英国を代表する10のデザイン」が発売されることとなり、その一つにジョージ・カワーダインによって誕生したエレガントなスタイルをもつ3本スプリング型「1227」がコンコルドやスピットファイア、2階建てロンドンバス、ミニ、ペリカンブックス、ポリプロピレンチェア、ミニスカートなどと共に選ばれました。同時にこの年「Original 1227」を復刻発売。この復刻版は、当時のフォルム、ナットやボルトの形状を残しながらも現代の電気基準に合う機能性を兼ね備えています。
思い通りのポジションをキープ出来る画期的なランプ
George Carwardine(ジョージ・カワーダイン)は、自動車会社のエンジニアとして活躍した後、サスペンションシステム開発を専門とする会社を設立。様々なタイプの自動車サスペンションの開発を行いながらも、他の分野にも応用できるメカニズムを研究する中で、彼はタスクランプという分野に惹かれていく。
新しいランプの実験に没頭するカワーダインは、1932年の7月、ついに特許を取得する。それはスプリングの特性を生かした全く新しいランプの仕組みで、人間の腕のように自在に曲げることができ、さらに思い通りのポジションをキープ出来るという画期的なものだった。アームの動きに安定感をもたせるために重い鋳物のベースを用い、シェードは眩しさを抑えつつも特定のポイントの照射を可能にするフォルムを採用。このフォーカス照射によりその当時のランプと比べ少ないワット数のランプでありながら同じ明るさを確保していた。
当初、このランプは、彼のサスペンションシステムの工場で働く職人達の手元の部品を照らすためのアイデアだったが、すぐにオフィスや家庭で使うことにも適していることに気づく。最終的なデザインを作り上げると彼の工場にスプリングを供給していたスプリングメーカーのHerbert Terry & Sons にライセンス契約を持ちかけた。その当時は2代目のチャールズ・テリーが運営していたが、自社の高い技術とノウハウを用いた新商品開発と事業拡大に感心があったチャールズは、すぐにカワーダインと契約を決めた。ランプの製造販売を始めるにあたり彼等はランプをEquipoise(均衡)という名前で登録申請したが、それはすでに使われていたため最終的に”ANGLEPOISE(アングルポイズ)”という造語を名付けることに。
1934年、アングルポイズEの最初のモデルである4本スプリングの「1208」と「1209」の生産が始まるとすぐに商業的成功を収める。工場をはじめ、病院、オフィスへとあらゆる場所でセールスを伸ばすと、さらに1935年、一般消費者向けとしてよりシンプルでスタイリッシュな3本スプリング・3本アームの「1227」を発表した。
4色のカラー展開と拡張可能なアクセサリー
Original 1227(オリジナル1227)をコンパクトにしたミニデスクランプは、ジェットブラック、リネンホワイト、ドーブグレーの3色展開。小ぶりながらも高い機能性を兼ね備えた幅広く使用できるフレキシブルなランプです。