ニコライバーグマン×LCシャッターズ
2012年の春、LCシャッターズの発表会を記念するイベントが南青山の「ニコライバーグマン フラッグシップ ストア」にて開催。バーグマン氏自らの店内で、彼らしいダイナミックで繊細なフラワー・アレンジメントのなか、ルイスポールセンの照明をインスタレーションするという試み。様々なスタイルにアレンジされたLCシャッターズ他、ルイスポールセンのランプが店内を優しく照らしていました。
episode.1
小さなキャンドルのような優しい光を求めて
ルイスポールセン社との仕事のなかで、私の役目は、彼らが可能な限りの最良の光が作れるようにすること。でも、決してこれは簡単なことではありません。最大の敵は、電球の光そのもの。裸電球の光は、容赦なく暴れます。勿論、電球は必要ですが、同時に、その荒っぽい光を取り除かなければいけません。 ですから、荒い光を柔らかい光へ変換し、光を無駄にせず、優しい光を部屋に拡げることが、第一の課題です。私にとっては、「ジェントル(優しい)」という言葉が最も重要です。光は、部屋の雰囲気をあらわします。個人的に、一個の電球のアグレッシヴな光より、小さなキャンドルの光が100個あるほうが、私は好きなのです。それでは、私が好むそんな光を、ひとつのランプからどうやって作りだせば良いのか?私は、一つの電球の光を、沢山の光の“かけら”に分けることに決めました。文字通り、シャッター(よろい戸)のように。
episode.2
世代から世代へと受け継がれて使われるように
眩しい光で視界を邪魔せずにテーブルや天井を照らすことは、あくまでも基本条件。さらに、型押しした隙間から光を部屋に拡げ、同時に、無数の小さなソフトな光源によってランプ自体が照らされ、浮かびあがるような効果を考えました。 LCシャッターズの開発は、「デンマーク、ヴェイエンにあるルイスポールセン工場内で全製造工程が可能な、新しいペンダントを」という考えで始まりました。ルイスポールセンの工場は、メタル・シートの加工にかけては最高の技術を持っています。そして私は、一枚のメタルパーツだけのランプにこだわりました。勿論、機能的で美しくなければいけません。そして、ハードで硬く、冷たく暗いメタル素材を、軽く、柔らかで、ジェントルなものに変容させようとしました。ルイスポールセンのランプは、長持ちし、世代から世代へと受け継がれて使われるように作られます。そんなクオリティーのランプをデザインするのは、強く責任感を感じますし、時間もかかります。 LCシャッターズの開発には2年以上かかりました。それは、デザインに悩んだのではなく、考えたコンセプトの製品を、どうやって製造可能にするか、ということに時間がかかったのです。 ルイスポールセンの技術陣は、皆、完璧主義者です。お陰で、出来あがったLCシャッターズは、デザイナーの私が最初に提案したドローイングに正確なだけでなく、当初わたしたち皆が期待していたよりも、より「強い」製品として完成したと思います。