POINT
色褪せることのないミニマルデザインに使い勝手の良いミニサイズが登場
1960年に既製品化されたAJランプは、直線のラインを直角と斜角で組み合わせたストレートな表現で、アルネ・ヤコブセンの建築デザインにも共通する要素で構成されており、光を必要とする場所に向けるという非常にシンプルなデザインです。AJテーブルランプのシェードは上下に75度可動することが出来ますので、デスクランプやサイドテーブルに置いて読書灯として使用したり、持ち運びが出来るライトです 。線のラインを直角と斜角で組み合わせたストレートな表現は、ヤコブセンの建築デザインにも共通する要素で、使い勝手の良いミニサイズも新しく登場。真鍮のステムが特徴のアニバーサリーエディションは、内側にペールローズの塗装を施し、ソフトであたたかい光を放ちます。
一切の無駄を削ぎ落とした非の打ちどころのないプロポーション
非の打ちどころのないプロポーション、そして、線・角度・円・円柱を相互作用させた知的デザイン。視覚的調和と静けさを創出しようと強く望んだヤコブセンは、デザインから異質な要素を出来る限り排除しました。ヤコブセンはソフトなトーンの色合いを好んだため、色彩自体が注目をひくことはありませんでした。「モノの存在が空間の経験に干渉してはならない」というのが彼の持論でした。実際、彼は建築にもインテリアデザインにも同じ態度で取り組み、建築や部屋の室礼、その空間の雰囲気を、一つのまとまった総体とみなしたのです。
光を必要とする場所に向けるシンプルなデザイン
1960年に既製品化されたAJランプは、直線のラインを直角と斜角で組み合わせたストレートな表現で、アルネ・ヤコブセンの建築デザインにも共通する要素で構成されており、光を必要とする場所に向けるという非常にシンプルなデザインです。AJテーブルランプのシェードは上下に75度可動することが出来ますので、デスクランプやサイドテーブルに置いて読書灯として使用したり、持ち運びが出来るライトです。
1959年にSASロイヤルホテルのためにデザインされたAJランプシリーズ
SASロイヤルホテル(現ラディソン・ブルー・ロイヤルホテル)のためにデザインされた「AJフロアランプ」「AJテーブルランプ」「AJウォール」は、純粋主義者としてのヤコブセンのデザイン手法を見事に表現されています。左右非対称の円錐形のシェード部分は上下に可動して光を放つ方向を明確に示し、ランプのスイッチを切った状態でもその光を予測することが出来ます。光のデザインがフォルムの中にビルド・インされています。
SAS Roya Hotel Story~ロイヤルホテルの50年 – もう一つのストーリー ~
SASロイヤルホテル(現ラディソン・ブルー・ロイヤルホテル)の新しい支配人、ロイ・カッペンバーガー氏はこのホテルの18階で生れました。
彼はホテル建設中の当時、ヤコブセンと仕事を共にしたスイス人で、ホテルマネージャーのカッペンバーガー氏の息子であり、子供時代には見習いスタッフのユニホームを着てホテルの中を走り回っていたそうです。
また、彼は世界初の「デザイナーズ・ホテル」として知られるこのホテルに、これまで滞在したロイヤル・ファミリー、政府高官、映画スター、ロック・スターといった著名人たちのこともよく覚えています。
「アルネ・ヤコブセンには洞察力があり、常に時代を先取りしていました」
と、カッペンバーガー氏が言うように、建物自体の設計から、ロビーにあるスパイラル形をしたエレガントな階段、名作と名高いフリッツ・ハンセン社のスワンチェアやエッグチェアはもとより、ドアノブ、客室の引き出し、ステンレス製カトラリーなどのインテリア・デコールのディテールに至るまで、全体をデザインすることで、1960年において既に、統一したブランド経験を生み出しました。
アルネ・ヤコブセンは、人々の考える「ラグジュアリー」という感覚を、大げさに飾り立てる虚飾的豪華さから、控えめなエレガンスへと定義し直そうとしたのです。
「ヤコブセンは、わたしたちのホテルに消すことのできないデザインのDNAを残してくれました。彼のデザインの刻印をこの場所に保つことは、わたしの義務でもあります」とカッペンバーガー氏は語ります。
ロイヤルホテルに、275室ある客室のうち、ルーム606だけはミニチュア・ミュージアムのように今もオリジナルどおりの内装やインテリアを保持しており、デンマークが世界に誇る巨匠アルネ・ヤコブセンの色褪せることのない審美感覚への敬意の印となっています。