POINT
60年以上に渡り生産が途切れることなく継続し、世界中で70万脚以上が出荷されています
CH24、通称「Yチェア」は、1950年に生産が開始されて以来、北欧モダンの名作として世界中で愛されてきました。ダイニングチェアとして最適な他、ゆったりとしたアームと背を持つこの椅子は、くつろぐためのリビングチェアとしても最適です。デザインは1949年、翌年の1950年から生産が開始され、60年以上に渡り生産が途切れることなく継続されています。なんと、これまでに世界中で70万脚以上が出荷されてることから、不動の人気と愛され続けていることが分かります。
Yチェアは、日本人の生活スタイルにも適した温かなデザインの椅子
ゆったりした座面の奥行きと背から肘まで緩やかに回り込むようなラインの肘掛けが特徴で、ダイニングでも書斎でもくつろげるチェアとして、1950年の発表以来、世代を超えて多くの人々に愛され続けています。海外では、Wishbone Chair(ウィッシュボーン・チェア=鳥の叉骨(さこつ)に似ていることから)の名で親しまれていますが、日本では背板のフォルムから、Yチェアとして知られています。日本人の生活スタイルとも非常に愛称の良い椅子でもあり、その素材感の温かなデザインは、日本の風景や環境にも不思議と馴染みます。
見た目の美しさや優しい座り心地だけでなく、積極的に機械化に取り組み誕生したYチェア
Yチェアは、見た目の美しさや優しい座り心地だけでなく、木工家具の工程にいち早く近代化の発想を取り入れて作られました。手仕事の温かさを残しつつ、積極的に機械化に取り組み誕生した経済性を兼ね備えており、今や不朽の名作となっています。名前の由来になっているY字型の背もたれも、手作業での箇所を極力少なくして組み立ての効率を図った工業化のメリットと言えます。また、同時に接合部をすっきりさせるデザインをも兼ね備えています。しかし、機械に頼るだけではなく現在でも100を超える工程が職人の手によって行われています。特に座面は120mもの長さのペーパーコードを、熟練した職人が1時間近くかけて編み上げて仕上げられています。
美しい経年変化が楽しめる天然素材の風合いと、手作業で仕上げられたペーパーコードの座面
ペーパーコードの座面は、すべて手作業によって行われ、職人の手によって当時と変わらぬ手法で仕上げられています。ペーパーコードとは、樹脂を含浸させた紙を縒ったコード(紐)のことで、資源に制限のあった戦後に生産されるようになり、本来は収穫した農作物を束ねる用途で使用されていました。紙を縒ったペーパーコードは、革やほかの素材に比べてコストも低く、品質にばらつきがない上に、クッション性もあり、さらに使用感も優れている等の理由から椅子の座面に用いられてきました。また、手作業によって1本1本編まれているので、同じものがこの世に一つとして存在しません。適度な緩みによるフィット感や、表面加工を施していない為、経年変化による美しく自然な古色が楽しめます。
ペーパーコードのお手入れについて
定期的に掃除機でペーパーコードの間のホコリを取り除いて下さい。もし、誤って濡らしてしまった場合は、こすらない様に注意して水分を取り除き、陰干しして完全に乾燥するまでは使用を避けて下さい。無理にこすったり、濡れたままで使用すると、ペーパーコードの寿命を短くする恐れがあります。万が一の場合には、座面の張替えサービスも行っておりますので、安心して長く愛用いただけます。
創業100年を超えるカール・ハンセン&サン社は、1908年デンマークの都市オーデンセで創業
カール・ハンセン&サンは創業100年を超える歴史のあるデンマーク家具メーカー。ハンスJ.ウェグナーの家具を最も数多く製作するメーカーとして知られ、伝統的なデンマークの家具職人技巧を基本に、世代を越えて使用できる耐久性に優れた家具を世に送り出しています。従業員数は230人。すべての製品がデンマーク国内で製作され、世界各国で販売されています。木材の凛とした存在感と温もり。そして座面に使用されるペーパーコードの耐久性と優しさ。使用されている素材のほとんどが環境に配慮し厳しく管理され、サスティナビリティーに優れた欧州の森林からのみ調達されています。
創業時と変わらない優れたクラフトマンシップ
1908年に工房を開業してから継続する、企業の核となる言葉「クラフトマンシップ」。デザインとビジョン、そしてクラフトマンシップ。いずれの観点から見ても変わることのない普遍性を持つ製品群は、最高級の素材を優れた職人技巧で加工し、素晴らしい家具を作り上げる。これが常にカール・ハンセン&サンの基盤となっており、100年に渡り培ってきたクラフトマンシップは、創業時と現在もまったく変わりはありません。
中国明朝の椅子の最後回答とも言えるデザイン
ハンス・J・ウェグナーが中国明朝の椅子にインスピレーションを得てリ・デザインしたチャイニーズ・チェアシリーズの最終回答とも言えるデザインチェアです。また、Yチェアだけでなく、ウェグナー亡き後も、ウェグナー事務所と密接な関係を保ち、ウェグナーが残した旧作の復刻、そして未発表デザインの発掘に力を注いでいます。
(*写真は、1950年代当時のYチェア)