POINT
人間工学に基づいた座り心地と完成されたデザイン
椅子の巨匠と称されるデニッシュモダンの旗手、Hans.J.Wegner(ハンス J・ウェグナー)。完璧な椅子を目指し、生涯に渡り新しいデザインを追求したことで世界的にも知られています。それはもはや人類学的な追求とも言え、より優れたデザインを常に求め、名作と称賛される独創性あふれる数々の椅子を世に送り出してきました。1954年にカール・ハンセン&サン社の為にデザインされた、ダイニングチェア、CH30もその一つです。オーガニックなフォルムと洗練されたディテールで、無駄のないフォルムと機能を体現化したアームチェアは、しばらく生産が途絶えていましたが、オリジナル図面をもとに65年ぶりに生産が再開されることになりました。今回の復刻に際し、現代人の体形に合わせて座面の高さを2cm高く調整しています。
快適に機能するオバール形に曲線を描いた背もたれ
バランスのとれた美しいフォルムだけではなく、背の部分に施された、クラフトマンシップ溢れる十字形の埋木(キャップ)など、家具職人としての気質が伺える、ウェグナーならではの意匠も随所に見られます。そして、相まって素晴らしいコンフォートを生み出す、成形合板製のゆったりとした座面と緩やかな曲線を描くオバール形の背もたれは空間を圧迫することなく、快適に機能します。後ろに少し傾斜させることで優れたサポート力を作り出しているオーバル形の背もたれと、曲線を描く後ろ脚が安定感を与え、椅子の使用感をさらに完璧なものにしています。ゆったりとした成形合板製の座面はファブリックまたはレザーによる張地加工がされています。様々な座り方が自然にできることから、疲れることなく長い時間使用することが可能です。また、アームレス仕様なのでダイニングテーブルにぴったりと付けることで、限られた空間でもあまり場所を取らずにご使用いただけます。
機能と美しさを備えたデニッシュモダンを代表する逸品
CH30は機能と美しさを備えた、デニッシュモダンを代表する逸品と言えます。ウェグナーデザインスタジオの協力のもと、オリジナル図面から忠実に再現したCH30。今回の復刻に際し、現代人の体形に合わせて座面の高さを2cm高く調整しています。これは人間工学を重視したウェグナーの方針をふまえ、1954年当時と比較し大きくなっている人の体形を考慮したものです。若きウェグナーの稀有な才能が大きく花開いた初期のデザインとともに、カール・ハンセン&サン社との恊働作業が現代に甦ります。