POINT
アーティストから建築家まで挙って使用したランプ
DCWコレクションのストーリーは、世界のモダンデザインの歴史のなかでも特筆すべきものとして語られます。そのコレクションは、Bernard-Albin Gras(バーナード・アルビン・グラス)が、オフィス用、産業用のランプのシリーズをデザインした1921年に遡ります。そのシリーズは、「The Lampe Gras(ランペグラス)」と名付けられ、シンプルかつ人間工学にもとづいたデザインで、時代を先取りしていました。さらに、ランプには一切のビスも溶接も用いていません。ランペグラスは、1920年代以降、デザインと構造は徐々に進化していきました。多くの異なる業種のカスタマーに愛されましたが、そのうちのひとりに、20世紀の建築の巨匠、Le Corbusier(ル・コルビュジエ)がいます。コルビュジエは自身のオフィスで使うばかりでなく、彼が手がける世界中のプロジェクトで採用したのです。また、アーティストのソニア・ドローネやジョルジュ・ブラックのスタジオでも使用。その後、Bernard-Albin Gras(バーナード・アルビン・グラス)のランプは、公共スペースと住宅の双方の場で採用される歴史上最初のランプとして人気を博しました。
20世紀最高のモダニスト、ル・コルビュジエも採用
Le Corbusier(ル・コルビュジエ)は、1887年にスイスのラ・ショー・ド・フォンに時計の絵付師の息子として生まれる。幼少の頃より絵画や彫刻に才能を発揮するが、建築の道へ。1930年、イヴォンヌ・ガリとの結婚を機にフランス国籍を取得する。「近代建築の5原則」を提唱するなど、20世紀最高のモダニストと称されたコルビュジエは、「サヴォア邸」「ユニテダビタシオン」や東京の「国立西洋美術館」など、機能主義の理論に基づく数多くの建築を手掛けたことでも知られています。また、コルビュジエは家具や照明器具にもこだわり、2015年に出版された書籍には、DCWの「Lampe Gras」の工業的、機能的なデザインに惚れ込み、自身の多くのプロジェクトに採用したと記されています。
スタンドタイプから、シーリング・ウォールランプまで
目的の場所へ適切な位置から光を届けることが可能なフレキシブルな機能性と、まるで建築の一部として鼓動するミニマムなデザイン。書斎のデスクからベッド横のナイトテーブルで活躍するテーブルスタンド、リビングに置いたソファやラウンジチェアでの読書に最適なフロアランプ。そして、印象的なアームが空間を際立たせるシーリングやウォールランプまで、実に豊富なバリエーションが存在するDCW editions(ディーシーダブリュー エディションズ)。特に、LAMPE GRAS(ランペグラス)シリーズは、商業施設や公共のスペースにも使用できる柔軟な機能とクオリティを提供してくれます。
それぞれのパーツが目的を持って可動する独自構造
No.411のフロアランプは、支柱であるベース部分のパイプが横方向に310度回転。さらにアーム部分は横に310度、縦方向には120度可動します。シェードへと200mm伸びるジョイント部は250度、シェード部は210度とそれぞれのパーツの動きを個別に組み合わしていくことで完成するフォルムが実にユニークな構造のスタンドライトです。目的に応じたデザインへと可変する構造なので、毎日の暮らしに心地良い変化を与えてくれます。空間とインテリアの関係をもっと身近にし、楽しませてくれる照明です。