POINT
一世を風靡した歴史的名作、VLリングクラウンがルイスポールセンから遂に復活しました
VL Ring Crown(VL リングクラウン)は、1940年代にコペンハーゲンのデンマーク放送局のために設計されたランプに由来します。しかし、放送局ではウォールタイプや1灯用のペンダントは使用されましたが、複灯数仕様のリングクラウンは使われず、その後間もなくして、オリジナル・スケッチにあったリングクラウンが発表されました。オーガニックなフォルムが特徴的なペンダントとウォールランプが光を主に下方に向け流だけでなく、乳白色ガラスが、快適な光で周囲を均等に照らします。
4種類のペンダントと2種類のウォールランプ
VL Ring Crown(VL リングクラウン)は、1灯・3灯・5灯・7灯のペンダントのほか、1灯と2灯のウォールランプがラインアップ。シェードは光沢ある乳白色の三層吹きガラスを採用し、メタル部分はポリッシュ仕上げの真鍮(無塗装)です。
このシリーズは、世界中のスタイリッシュなインテリアに、本物の特別な感触をもたらし、温かみのある光で現代の空間をソフトに照らします。
1920年から自然光についてすでに徹底した研究を行っていた、素材と光を融合するマエストロ
建築家フィン・ユールはかつてヴィルヘルム・ラウリッツェンの事務所で働いていましたが、1947年にコペンハーゲンのアマガートーブ広場にあったデンマークの磁器メーカー、ビング・オー・グレンダール(B&G)の旗艦店のインテリアデザインで、エカースベア・メダル(1883以来デンマーク王立芸術アカデミーが毎年授与する賞)を受賞しました。彼はこのプロジェクトで初めて VLリングクラウンを使用しました。それ以来、ヴィルヘルム・ラウリッツェンのリングクラウンは飛ぶように売れ、後の1953年、ルイスポールセンの広報誌『NYT』で、彼はポール・ヘニングセンに次のように述べています。「照明器具は、ホコリを払うのが簡単で、中に塵が溜まらず、ダメージを受けてもすぐに壊れず、電球交換が簡単で、調光しなくても眩しくなく、そして下向きに光を集め、同時に空間全体も柔らかく照らすことが必要です。また、外観が清楚であることも大切です。」VLリングクラウンは、これらすべての条件を満たします。
ラウリッツェンが設計した名建築、ラジオハウス(デンマーク放送局)
ラウリッツェンは、1934年にラジオハウスの設計を任されました、それは建築コンペティションで勝ち取った仕事ではなく、彼の大胆な行動の結果でした。当時あったデンマーク放送局の建物(“巣箱”と呼ばれていた)は、オープンからわずか数年で、早くも建築界の恥として有名になっており、スタジオには外部の騒音が忍び込み、コンサートホールと劇場を兼ねたホールは、音楽と演劇のどちらの面でもアーティストの期待に応えられませんでした。ラウリッツェンは行動的な建築家でした。この状況を絶好のチャンスとみた彼は、自ら放送協会にアプローチし、新しいラジオハウスの計画を提案し、契約を得たのです。戦争の勃発のため建物の完成は遅れ、竣工までには約10年を要しましたが、そうした遅れも建築家にとっては、細心のデザインを作り上げ、あらゆるディテールの完成度を高めるのに必要な時間が取れることを意味しました。例えば、彼と彼のスタッフは、スタジオと大きなコンサートホールの音響を、まるでストラディヴァリウスを扱うかのように細やかに調整し、そのプロセス全体を通じて、彼らは実物大でパネルをテストし、必要に応じて形状や素材に手を加えながら、1:1のスケールで音響実験を行うという滅多にない機会に恵まれたのでした。現在では、デンマーク放送局は新しい場所に移転し、ラウリッツェンのラジオハウスはデンマーク音楽大学の建物として生まれ変わっています。ラジオハウスから音楽大学へのコンヴァージョンは、ラウリッツェンへの深い愛情をもって行なわれ、彼の建築のクオリティーは可能な限り保存されました。