THONET(トーネット)
1819年に創業したThonet(トーネット)のユニークなサクセス・ストーリーは、手作業による家具生産から工業生産への移行を確立したMichael Thonet(ミヒャエル・トーネット 1796年 – 1871年)の働きから始まりました。Michael Thonetは、1859年にウィーンで、後に 「ウィーン・コーヒー・ハウス・チェア」 と呼ばれるようになったチェア「No.14」で、ブナの無垢材を曲げるという革新的な技術を用いて、工業生産にブレークスルーをもたらすことに成功しました。個々の生産工程を標準化し、家具生産では初めて分業の概念を導入。さらに、椅子は分解しやすく、省スペースでの輸送が可能でした。チェア「No.14」は、トーネットが世界的な企業になる道を切り開き、それに続いて数多くの成功したベントウッドのデザインが生まれました。1912年に生産ピークを迎え、その年には200万台が生産されて世界中で販売されました。鋼管家具は、トーネットの製品ラインの第2の定番です。1930年代には、Mart Stam(マルト・スタム)、Ludwig Mies van der Rohe(ルートヴィヒ・ミース・ファン・デル・ローエ)、Marcel Breuer(マルセル・ブロイヤー)などの有名な建築家によって設計されたこの革新的な家具の世界最大の生産者でした。今日では、初期の鋼管家具の設計は、設計履歴におけるマイルストーンと考えられています。その明晰で開放的で簡素な姿は、「新しい目標」というキャッチフレーズで有名になった、日常の文化や建築における新しい姿勢の表れでした。現在、数多くの成功したクラシックモデルがまだ製品ラインに残っており、その中には、Mart Stamがその形態と基本原理について芸術的著作権を与えられた最初のカンチレバー椅子「S33」や、 Marcel Breuerのモデル「S32」と「S64」があります。 トーネットの目指すものは、単なるモノづくりだけではなく、「コミュニケーションの創造」を時代に左右されないデザイン・機能性を持つ家具で具現化する事です。