POINT
ウェグナー生誕100周年を記念して
CH24(Yチェア)やCH20(エルボーチェア)など、北欧家具の定番となった製品を生み出し続けてきたハンス・J・ウェグナー。今回ご紹介する「CH88」の来歴は、1955年までさかのぼります。もともとはスウェーデンのヘルシンボリという都市で開催されたデザイン博に出展する目的で、プロトタイプ(試作品)のみが制作されました。その後長らく製品化には至らなかったのですが、今回ウェグナー生誕100周年を記念して、新製品として発表されました。ミニマルで美しいデザインの椅子が、現代にまた一つ加わったというわけです。
軽快な素材のコンビネーション
有機的な木の質感と、無機質なスチールの、異なる表情を持つ素材が特徴の「CH88」。アルネ・ヤコブセンの「セブンチェア」や「アントチェア」も、スチールと木のコンビネーションが特徴的なデザインチェアですが、こちらはまた違った魅力があります。一番に目を引く特徴のあるバックレスト。木で形とられた角の部分は、工芸品のような趣が感じられます。各パーツは非常に細身で、木の質感を存分に感じながらも、椅子としては非常に軽快な印象です。実際座ると角部分の丸みが気持ちよく、ずっと触れていたくなるんです。
プラスαの効いた座り心地
デザインはもちろん、快適な座り心地も魅力です。美しい背面の作りはちょっとした肘掛けにもなるので、見た目以上に色んな座り方が出来ます。バックレストの自由度を邪魔しない、広くてオーバル型の座面もポイントです。大きく面積がとられていますので、男性でも女性でもストレス無く座っていただけます。ワークチェアとしても大いに実力を発揮してくれそうですね。曲げ木の技術を応用し、様々な家具を生み出してきたハンス・J・ウェグナー。木の質感を追求する一方で、新しい素材への挑戦も怠らなかった、ウェグナーの新たなスタンダードアイテムとなりそうな「CH88」シリーズ。デザイナーの発想と妥協を許さないクラフトマンシップが融合した、まさにデンマークモダンを彷彿させる椅子です。皆さまのコレクションにも、是非加えてみませんか?
創業100年を超えるカール・ハンセン&サン社は、1908年デンマークの都市オーデンセで創業
カール・ハンセン&サンは創業100年を超える歴史のあるデンマーク家具メーカー。ハンスJ.ウェグナーの家具を最も数多く製作するメーカーとして知られ、伝統的なデンマークの家具職人技巧を基本に、世代を越えて使用できる耐久性に優れた家具を世に送り出しています。従業員数は230人。すべての製品がデンマーク国内で製作され、世界各国で販売されています。木材の凛とした存在感と温もり。そして座面に使用されるペーパーコードの耐久性と優しさ。使用されている素材のほとんどが環境に配慮し厳しく管理され、サスティナビリティーに優れた欧州の森林からのみ調達されています。
創業時と変わらない優れたクラフトマンシップ
1908年に工房を開業してから継続する、企業の核となる言葉「クラフトマンシップ」。デザインとビジョン、そしてクラフトマンシップ。いずれの観点から見ても変わることのない普遍性を持つ製品群は、最高級の素材を優れた職人技巧で加工し、素晴らしい家具を作り上げる。これが常にカール・ハンセン&サンの基盤となっており、100年に渡り培ってきたクラフトマンシップは、創業時と現在もまったく変わりはありません。
ウェグナー亡き後も復刻に力を注いでいます
ハンス・J・ウェグナーが中国明朝の椅子にインスピレーションを得てリ・デザインした、Yチェア。ウェグナー亡き後も、ウェグナー事務所と密接な関係を保ち、ウェグナーが残した旧作の復刻、そして未発表デザインの発掘に力を注いでいます。(*写真は、1950年代当時のYチェア)(*写真は、1950年代当時のYチェア)