フォルムと機能の完璧なバランス、明確で人間的な答えを組み合わせるデザインの基盤
北欧モダンの伝統を継承する、シンプルで軽快なフォルム
フォルムと機能の完璧なバランスをとること。これがデンマークの建築家であり、独学で家具デザインを習得したMorten Gøttler(モーテン・グッドラー)のデザインプロセスのスターティングポイントです。シンプルで読み取りやすいフォルム、優れたクラフトマンシップ、そして長く使うことのできる素材使いを通じて彼は自身のデザインがスカンジナビアンに起因していることを自覚しています。グットラーは、1950年代・1960年代のデニッシュデザインの黄金期に活躍したデザイナーたちが遺してくれた偉大な功績(偉業)の恩恵だ、と語ります。海運業のバックグラウンドをもつグットラーは、早い段階からデザインへの新しい道の模索を始めます。デザイナーとしてキャリアは、様々な企業に勤務し、社内の商品開発とデザインを担当したことから始まりました。その後1972年に自身のデザイン事務所を創立し独立。家庭用品、パッケージ、グラフィック、照明など多様な仕事を手掛けていきます。デンマークばかりでなく海外の企業も、顧客リストに名を連ねています。しかし、1987年以降グッドラーは家具のデザインに専念することを決意。北欧モダンの伝統を継承する、シンプルで軽快なフォルムを持った製品を発表していきます。彼は、質の高い職人技術の家具と、斬新でありつつ細部にまでこだわり抜いた時にのみ家具に現れる、明確で人間的な答えを組み合わせることが、彼のデザインの基盤となっています。
ペーパーコードが洗練されたフォーマルなイメージを演出
カール・ハンセン&サン社のコレクションにラインアップされるモーテン・グットラーのシンプルで機能を極めたフォールディング式のチェア、キューバチェア(MG501)。そのチェアにペーパーコード張りの新バージョンが登場です。座と背に施したペーパーコードが、洗練されたフォーマルなイメージを演出します。ここ数年知名度を高めつつある1997年に発表されたモーテン・グットラーのキューバチェア。エレガントなこの椅子に、従来のコットンウェビング、屋外用仕様に加えて、ペーパーコード張りの仕様が加わったことで、デニッシュモダンを継承する、明快なラインで構成されたシンプルなフォルムと熟考された高い機能性。背と座に施したペーパーコードが、この椅子をより軽快に、そしてより洗練されたものにしています。