POINT
クルマを載せることが出来るほど頑丈な構造のチェア
当時の製造技術やデザインとしては非常にめずらしく、この椅子の座面には、なんと750キロものフォルクスワーゲンを載せることが出来たそうです。比較的薄く設定された成形合板のシートにも関わらず、いかにこのケヴィチェアが耐久性に優れた構造を持った椅子であるかの何よりの証明です。
手動でシート部の上下昇降と背もたれの角度調節が可能、自分の体の好みに合わせれます
シンプルなデザインながらも、ケヴィチェアは機能的な特徴を多く持っています。シート部分の高さ調節はもちろん、背もたれ部分の角度調節も可能なので、自分の体にフィットするよう設定することが出来ます。Kevi Chair(ケヴィチェア)2533のシート高は、38~51cmの範囲で可動。張座仕様の2534Uのシート高は、40cm〜53cmの範囲となっています。
進化するデザイン、より耐久性が向上した5本脚仕様のキャスターベース
ケヴィチェアはデザインの進化という点において非常に好例です。1950年代の初期モデル(写真参照)から現在製作されている最新モデルまで、長い時間をかけて改良を重ねています。1985年に製品の名前の由来でもあるKettel & Villadsen社で製造された当初は4本脚でしたが、Fritz Hansen(フリッツ・ハンセン)社にてライセンス生産されていた後期からは5本脚仕様がスタンダードとなりました。そして、Engelbrechts(エンゲルブレヒト)社を経てMontana(モンタナ)社から、より耐久性が向上し美しいフォルムへと変更されました。
この椅子の為に開発されたホイールが、世界のスタンダードになりました
1960年代当時のキャスターホイールは強度や機能的にも決して優れたものとは言えませんでした。このケヴィチェアの為に開発された画期的な構造をもったダブルキャスターホイールは、市場に発表されると瞬く間に大きな反響と高い評価を得ることに成功します。その後、世界中のオフィスチェアに採用されるきっかけとなりました。現在でこそ、スタンダードと言えますが、ケヴィチェアが家具業界にもたらした功績は非常に大きなものでした。デンマークが世界に誇るオーディオメーカー「Bang&Olufsen(バング&オルフセン)」社や、幅広い展開と発展を続ける「IKEA(イケア)」社の製品をはじめ、世界中のオフィス家具メーカーだけに留まらず様々な企業の製品に採用されています。また、近年ではDIY(Do It Yourself)ショップでも販売されるなど、そこにもケヴィチェアが作り上げた歴史があります。